「AIで業務効率化しよう」とまず手をつけるのが、お客様への紹介文やメールをに書かせること。ところが——出てきた文は、間違ってはいないけれど「誰にでも当てはまる、薄い文」。結局、自分で大幅に書き直す。これでは効率化になっていません。 AI業務効率化でいちばん多い挫折が、まさにこれです。
この悩みを調べると、出てくる答えはほぼ全部こうです。「ターゲットを明確に」「具体的に指示しろ」「ストーリーを入れろ」「人間の体験を足せ」。
それ、だいたい試しましたよね。そして、刺さらなかった。
理由はシンプルです。人物像を伝えるのは“当たり前にやること”であって、決め手ではないからです。人物像を渡しても、AIは「その人に無難に当てはまる平均的な説明」を返します。平均は、誰にでも当てはまるから薄いのです。
この記事は、その先の一手を渡します。専門用語は使いません。
まず、よく当たる占い師の話
よく当たると評判の占い師は、「あなたは優しい人ですね」とは言いません。それは誰にでも当てはまるからです。
当たる人はこう言います。「普段は決断が速くて強気なのに、決めた後で一人になると、その判断を長く考え込んでしまうところがありますよね」。
聞いた人は思います。「なんで分かるの……?」。
これが刺さる理由は1つ。人は、自分でも薄々気づいている“矛盾”を言い当てられたとき、「これ、自分のことだ」と感じるからです。誉め言葉ではなく、矛盾。ここがすべてです。
結論 — AIには「強み」と「矛盾」を分けて書かせる
やることは1つだけです。
お客様について、別々のところから集めた手がかりを3つ以上AIに渡し、
複数が同じ方向を指す点 → その人の「強み」、
逆を向く点 → その人の「中の引っかかり」、
この2つを 混ぜずに分けて書け と指示する。
「全部まとめて、いい感じに書いて」と頼むと、AIは矛盾を平らにならして、平均的で無難な文を返します。これが「当たり障りない」の正体です。矛盾を“探させて、分けて書かせる”だけで、文章が「その人のための言葉」に変わります。
そのままマネできる指示文
# 相手
(お客様の名前や、どんな人かのメモ)
# 別々の手がかり(3つ以上、出どころを変えて)
1. 例:買ってくれた商品
2. 例:問い合わせで言っていたこと
3. 例:よく見ているページ
# 指示
上の手がかりを「全部まとめて」書かないでください。代わりに:
- 複数が同じ方向を指す点を「この人の強み」として1段落
- 互いに逆を向く点を「この人の中の引っかかり」として1段落
- 引っかかりは、本人が薄々気づいていそうな言い方で、具体的に
専門用語や、手がかりの出どころは、文章に出さないこと。
| 指示 | 出てきた文 | |
|---|---|---|
| 前 | 手がかりを渡し「まとめていい感じに書いて」 | 「行動的で思いやりがある方です」——誰にでも言える誉め言葉 |
| 後 | 上の「強み/矛盾を分けて書け」 | 「人前では即決即断なのに、決めた後で一人で長く考え込む。それを見せたくないから、よけいに強く見える方です」——本人の矛盾を名指し |
